超格子体の拡張
じつのころ、わたしたちは誰一人、超格子体のなんたるかを知らない。

その定義が未定形な概念を拡張するもないものだ。
それゆえ、これからは赤ん坊のように歩いていかなくてはならない。

勇気をもってさまよい、手探りで興味深い事実を見つけ、できうるかぎのものを収穫することにつとめる。それが、われら数の世界の旅人の流儀だ。

さて、きっとあなたがたは「拡張」というからには、超格子体のサイズを広げることをまず思い浮かべると思う。もちろん、わたしもそのスタンスだ。だが、そのまえにぜひとも見ておきたい場所がある。

3×3の超格子体?
さよう。わたしは、この驚異のオブジェクトをそのように呼びたい。ここで「驚異」という言葉を使ったのは、たんに衆目を集めたいからではない。事実、「驚異」としかいいようのないことが、この構造体の中で起きているのである。

たしかにこの構造体は、4×4の超格子体がそうしていたように、相思数や相愛数を所有しているわけではない。それでも、わたしたちは、このオブジェクトが4×4の超格子体の天質のいくつかを受け継いでいることをみとめないわけにはいかないだろう。なにをいっているのか? これを見てほしい。

 

 

どうだろう?
格子体の外周をマーの呼吸でひとまわりするときれいに消える∙∙∙。これと類する現象をわたしたちは、いままでも、いやというほど見てきたはずだ。そうである以上、わたしたちは、この場所を素知らぬ顔してに通りすぎることはできない。きっと、なにかある。そのささやきに耳をかたむけよう。無言のオブジェクトから真実を引き出すのは、わたしたちの訊ね方次第。とにかく、思いつくままに、さまざまな質問をくりだしてみる。すると信じがたい答えが返ってくることがある。どうやら、先の不思議な力は実に三連積にまで及んでいるらしい、ということも

 

 

さて、つぎにわたしたちはなにを訊ねることにしよう?
そうだった。4×4の超格子体が、ある奇妙な仕方で二分されうることもわたしたちは見た。
そして、ペア化された者たち同士たちの間ではたらく強固な力について驚かされたこともまだ記憶になまなましい。ならば、ためしてみない手はない。

 

 

どうやら、3×3の格子体の内部でも似たようなことは起こっているらしい∙∙∙。好奇心をもってこのオブジェクトと会話を続けていけば、次々に明らかになってくることがある。3×3の超格子体がそうであったようにペア化のパターンは一通りではない鏡像関係についても見ていただきたい。

 

 

4×4の超格子体よりもサイズダウンしているとはいえ、いや、それゆえにこそ、その内部に満ちている力には、いままで以上に目を見張らされる。あるべくして、そのようにあらしめられている、なにかそのような一貫した整合性が、この格子体を支配しているように感ぜられてならない。

3×3の超格子体。
どうやら、ここがわたしたちのスタート地点だ。当面、ここでしっかりと足場をかためることにする。考察対象として、いささか物足りないだろうか? たった9個の数ということなかれ。いや、じつのところ、わたしたちは数を相手にしているのではない。わたしたちが相手にしているのは正方格子体が持つ構造の神秘。そのことを次に再確認しておくことにする。