左右対称陣の相愛力をUPさせる

前章にて、わたしたちは二組の相愛数を合成させることにより相愛力の1UPに成功した。その際、合成させる相愛数たちの差分数が等しくなくてはならない、というのが条件となる。

ここでペア化されたマテオンたちの内部構成に目を凝らしてみたい。

じつはペア同士、構成の骨格は共有されているのである。一方が一方を平行移動するこにより、もう一方のマテオンを構成することが可能となっている。

さて、以前にも述べたように正規の相愛数は平行移動という操作によっても、相愛力をそのままの強度で維持する(平行移動に耐性のない特殊型の相愛数も存在している)。そして、重要なことは、どのような平行移動に対しても、おそらくは差分数のかたちも維持すると考えれられる。

どういうことか。
たとえば、この4–4相愛数(❤︎❤︎❤︎)を例にとろう。

この相愛数の４乗差分数をしらべてみると、

では、超格子体の内部の数を一つずらし(平行移動させ)、おなじように４乗差分数をとってみると、

どうだ。おなじ数(1440)になる。別に１個ずらしでなく、任意のn個ずらしでもこの差分数は維持される。注意が必要なのは、この差分数の共有という現象が(相愛力+1)乗次元に限定されるということだ。というのも、これらの超格子体において相愛四数の5乗差分数をしらべたとき、

ごらんのとおり、この次元ではもはや差分数の共有は約束されない。

ということで。
この事実を踏まえた上でマテオンに話を戻そう。

わたしたちはこの六つのマテオンの中からどの一つをえらんでもいい。そのマテオンのコピーをつくり、好きに平行移動させ、それらを用いて相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎の24–24相愛数を構成することができるのだ。実例をお見せしよう。

このテクニックは広範囲に応用可能だ。たとえば、バボアン構造をしらべる過程で数多く出会ってきた、この<1～11>完全相愛数左右対称陣。

この相愛数たちがもっている相愛力は本来❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎であるが、わたしたちはこれらの複製→平行移動→合成を行うことにより、相愛力を❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎に上げることができるだろう。

動画では一つずらしが採用されていた。

これはこれで息をのむほどの美観を呈しているが、６と７が相殺され消えてしまっているため、完全相愛数左右対称陣とはいえない。もし、「完全」という称号を冠することを望むのであれば、一つずらしではなく、三つずらしを選ぶべきであろう。

どうだろう。だいぶ手順がのみこめてきたことと思う。いわば左右対称陣の次元を一つ上げるという、このテクニックは、正規の相愛数にかぎって有効であるが、ある相愛数が正規か非正規かは、見ただけでは判断がつかない。それゆえ「とりあえず、やってみる」というのが、現状、戦略としては正しい。