さて、わたしたちは斜方変換という強力な道具を入手した。さっそくこれを使って、どのような対称が得られるかためしてみよう。

まずはマリス/タリス型の系。つまり始点をこの超対称体に定め

ここから、くりかえし斜方変換を行ってゆくことにする。すると、

なにをしているか、ゆっくり追っていってほしい。超格子体の内部の数をななめに置き直し、それをからっぽにしてから、ふたたび数を入れ直す。やっているのはそれだけのことである。超格子体の内部の二色紋様はさまざまに移り変わってゆくさまには目を奪われる。そしてなにより面白いのは、最終的に自らのマリス/タリス型の形式にもどってゆくというふしぎな周期性

6という周期をもって斜方変換はめぐっていることがこれで明らかとなった。それでは、マーン/ハーン型を始点に定めるとどうだろう。

ここでもという周期があらわれているようだ。

反転マーン/反転ハーン型についてもやってみよう。

やはり、同じ周期でめぐっている。

興味深いのはマーン/ハーン型と反転マーン/反転ハーン型が反転関係にあるからといって、斜方変換において対応する形式はかならずしも反転関係ではないということ。思っている以上に、わたしたちはやっかいな代物と対峙しているのかもしれない。

さておき、ここまで得られたすべての形式をぜんぶ羅列してみよう。

18。互いに回転関係にあるものは存在しているようだが、完全に重複しているものはないようだ。ひとまずは大収穫をことほぎたい。ただし、これらのうちどれが超対称体であるかはいまのところ不明だ。ただ候補でありうる、というだけである。わたしたちは、ただちにこれら一つ一つの精査にとりかかる必要がある。心して準備をされたい。