ゲボー核子体
たった四つのセルだけで構成されているにもかかわらず、その構造の深さは測りしれない。告白しよう。核子体についてはまだまだわからないことがたくさんある。前章までに見てきたように、四つのセルがつむぎだす乗数生成能力は、ひかえめにいっても度を越したものであった。

ここでは、趣向を変えて、核子体の位置について考えてみることにする。ゲボー本体には、ほかにも2×2の格子がとれる箇所が存在している。

これらが核子体たるに値する資格を有していないことは、総和をとってみただけでわかる。

いずれも乗数ではないことが見てとれるだろう。が、これですべての可能性が尽くされただろうか?

いや、はやまってはいけない。
わたしたちは、この場所を見過ごしているのではあるまいか。

100は10の2である。
期待がもてる。さっそく累乗系の2乗数生成力をたしかめてみよう。
まずはマー呼吸から

つづいてアー呼吸

エクセレント!!
じゅうぶんな手ごたえを感じる。連積も見てみる。マー呼吸は、

アー呼吸も、

さよう。ゲボー核子体は一つではなかったのである。

興味のある御仁は、連、以降もしらべてみてほしい。いずれも2乗数が生成されることがたしかめられるはずである。

ゲボー体には核子体が複数ある
少なくともこの事実を受け容れなくてはならないようである。

いや、じつのところ核子体はゲボー本体の中に、わたしの知るかぎり、まだあと二つ存在している。まゆをひそめられただろうか? わたしたちは、たったいまゲボー本体の内部をくまなく探しまわったではないか。なるほどそうだ。わたしたちはすべてのパターンにあたってみた。それでもなお、わたしは主張しなくてはならない。この中に核子体はまだ身を隠している、と。

読者諸氏よ。ありえない、とお思いか?
ああ、いったい、わたしは、この期に及んで、なにをいおうとしているのか。
そう、ゲボー核子体にまつわる奇妙な真実
ズバリ、核子体のアナザーフォルムのことである。

どうだろう。
予想外のフォルムに戸惑われている方もまだいると思う。オリジンフォルムとは異なり、四つのセルはつながっていない。見つけにくいこと、このうえなしである。
おっと、忘れないうちに、アー呼吸も見ておこう。

連積はどうなっているかというと、マー呼吸が、

そして、アー呼吸がこちら。

正式にはこの核子体は、拡大フォールムⅡと呼ばれるべきものである。

さらに、もう一つ、ゲボー核子体拡大フォールムⅢと呼ばれるものがこれである。

おなじようにこの構造体も、累乗系と連積系において、他の核子体と類似の力を発揮する

13(マー呼吸)による乗数生成

13(アー呼吸)による乗数生成

3連積(マー呼吸)による乗数生成

3連積(アー呼吸)による乗数生成

核子体たちによる驚嘆すべき乗数生成ショーこのようなことを可能ならしめる四つのセルの構成配置はどのようなものであらねばならないと規定されるのか?
そのような疑問は、当然、妥当である。

しかし、その問いに答える前に。わたしたちは、これまでとりあげてきた核子体とは別種の凝集核子体の存在に目を向けねばなるまい。